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倍音

周波数の次は倍音の話です。有名な倍音確認方法として、ピアノの中央付近の鍵盤をひとつだけ(音が出ない位の弱さで)押し込んでおき、その状態でオクターブ下の鍵盤を弾く(音を出す)というものがあります。弾いた方の鍵盤のみ指を離すと、打鍵していない方の音が共鳴して残ります。これが倍音です。

この時、打鍵した方を「基音」共鳴したオクターブ上を「第2倍音」といいます。基音と各倍音との音程関係は決まっていて、第2倍音は基音の1オクターブ上、第3は1オクターブと完全5度、第4は2オクターブ、第5は2オクターブと長3度、第6は2オクターブと完全5度、第8は3オクターブ上です。

つまり、ひとつの音を鳴らしているつもりでも、実際にはそのオクターブ上や更に高い音が無数に鳴っているということなんです。同時にいくつも音が鳴っていると何の音かわからなくなりそうですが、基音に対して倍音の量はごく僅かなので、基音の音高=その音の音高としてはっきり感じることができます。

倍音は音色に大きく影響します。特定の楽器の音だと認識できるのは、倍音成分が特徴を持っているからです。わかりやすいのはクラリネット属と、シンセサイザーで作る「矩形波」や「三角波」と呼ばれる波形の音色で、いずれも偶数倍音を含まないため、自然音と電子音ですが似たような音色をしています。

2^n(累乗)次倍音は基音とnオクターブの関係にあるので、偶数倍音を含まないクラリネットのような閉管楽器は基音とオクータブ関係にある倍音が鳴らないという特徴を持ちます。なお、3*2^n次倍音は1+nオクターブと完全5度、5*2^n次倍音は2+nオクターブと長3度の関係になります。

一般的な楽器音など、規則的な振動が持続する音(倍音や無数の高音を持つ音)を「楽音」といいます。「音楽」じゃないですよ。"楽を奏でるための音"という意味です。また、倍音を一切持たない時報や音叉の音を「純音」、振動に規則性がなくピッチを感じにくい打楽器のような音を「噪音」といいます。

2017/12/31:  楽典
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